## 【米国株式市場】ニューヨーク市場NYダウ: 42,982.43 ▼106.59 (6/25) NASDAQ: 19,973.55 △61.02 (6/25)### 1.概況昨日の米国市場では、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。中東情勢の緊張緩和を受け主要3指数が揃って前日に大幅に上昇した後で、利益確定売りや持ち高調整の売りが優勢となりました。また、新築住宅販売件数が予想以上に減少して成長減速への警戒が強まったほか、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が上院銀行委員会での議会証言で関税によるインフレ再燃懸念を示す形で、「注意深いアプローチを取りたい」と主張したことも相場の重荷となりました。一方で、エヌビディア[NVDA]が過去最高値を更新するなど、ハイテク株への買いが相場を支える要因となりました。 ダウ平均は41ドル高の43,130で寄付くと、始値がこの日の高値となり、その後は終日軟調な推移となりました。取引後半には217ドル安の42,871ドルまで下落したものの、引けにかけては下げ幅を縮小し、結局106ドル安の42,982ドルで取引を終え、4日ぶりに反落となりました。 また、S&P500株価指数は前日比0.02ポイント安の6,092ポイントとほぼ横ばいで取引を終え、3日ぶりに小幅に反落しました。一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は61ポイント高の19,973ポイントで取引を終え、3日続伸となりました。### 2.経済指標等5月の米新築住宅販売件数は前月比13.7%減の62.3万件となり、市場予想(70万件程度)を大きく下回りました。### 3.業種別動向S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、ヘルスケアの3業種が上昇となり、特に情報技術は1%以上の上昇となりました。一方で、8業種が下落となり、特に不動産が2%以上下落したほか、生活必需品や公益事業、一般消費財・サービスも1%以上下落しました。### 4.個別銘柄動向ダウ平均構成銘柄は、全30銘柄のうち11銘柄が上昇となり、特にエヌビディアは4%以上上昇して過去最高値を更新しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]やアムジェン[AMGN]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]も1%以上上昇しました。一方で、19銘柄が下落となり、特にマクドナルド[MCD]とトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]は2%以上下落しました。また、ビザ[V]やスリーエム[MMM]、セールスフォース[CRM]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ボーイング[BA]は1%以上下落しました。 ダウ平均構成銘柄以外では、カナダのセキュリティ会社であるブラックベリー[BB]が、第1四半期決算で売上高が市場予想を上回ったほか、通期の業績見通しを上方修正したことが好感され、13.0%上昇しました。また、リチウムイオン電池のクァンタムスケープ[QS]は、商業化に向けた重要目標である先進的なコブラ・セパレーター技術のセル生産への統合に成功したと発表し、株価は31.0%上昇しました。一方で、貨物輸送のフェデックス[FDX]は、第4四半期決算の発表を受け3.3%下落しました。同社は、売上高、EPS(1株当たり純利益)ともに市場予想を上回ったものの、ガイダンスで第1四半期のEPSが市場予想を下回ったほか、世界的な需要の不確実性を理由として通期のEPS見通しを示さなかったことが嫌気されました。また、特に5月の米中間の輸送量が大幅に悪化したと述べています。### 5.為替・金利等米長期金利は、前日から横ばいの4.29%で取引を終えました。ドル円は、145円台前半で推移しています。## VIEW POINT: 今日の視点昨日の米国市場では、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。一方で、エヌビディアが4%以上上昇して最高値を更新するなど、ハイテク株の一角には買いが入り、ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸、フィラデルフィア半導体株(SOX)指数は1.0%上昇となりました。 この流れを受け、日本市場でも半導体関連株への買いが期待され、小高く寄付くと予想されます。日経平均は節目の3万9000円台回復となるか注目が集まります。(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,982.43 ▼106.59 (6/25)
NASDAQ: 19,973.55 △61.02 (6/25)
1.概況
昨日の米国市場では、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。中東情勢の緊張緩和を受け主要3指数が揃って前日に大幅に上昇した後で、利益確定売りや持ち高調整の売りが優勢となりました。また、新築住宅販売件数が予想以上に減少して成長減速への警戒が強まったほか、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が上院銀行委員会での議会証言で関税によるインフレ再燃懸念を示す形で、「注意深いアプローチを取りたい」と主張したことも相場の重荷となりました。一方で、エヌビディア[NVDA]が過去最高値を更新するなど、ハイテク株への買いが相場を支える要因となりました。
ダウ平均は41ドル高の43,130で寄付くと、始値がこの日の高値となり、その後は終日軟調な推移となりました。取引後半には217ドル安の42,871ドルまで下落したものの、引けにかけては下げ幅を縮小し、結局106ドル安の42,982ドルで取引を終え、4日ぶりに反落となりました。
また、S&P500株価指数は前日比0.02ポイント安の6,092ポイントとほぼ横ばいで取引を終え、3日ぶりに小幅に反落しました。一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は61ポイント高の19,973ポイントで取引を終え、3日続伸となりました。
2.経済指標等
5月の米新築住宅販売件数は前月比13.7%減の62.3万件となり、市場予想(70万件程度)を大きく下回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、ヘルスケアの3業種が上昇となり、特に情報技術は1%以上の上昇となりました。一方で、8業種が下落となり、特に不動産が2%以上下落したほか、生活必需品や公益事業、一般消費財・サービスも1%以上下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は、全30銘柄のうち11銘柄が上昇となり、特にエヌビディアは4%以上上昇して過去最高値を更新しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]やアムジェン[AMGN]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]も1%以上上昇しました。一方で、19銘柄が下落となり、特にマクドナルド[MCD]とトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]は2%以上下落しました。また、ビザ[V]やスリーエム[MMM]、セールスフォース[CRM]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ボーイング[BA]は1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、カナダのセキュリティ会社であるブラックベリー[BB]が、第1四半期決算で売上高が市場予想を上回ったほか、通期の業績見通しを上方修正したことが好感され、13.0%上昇しました。また、リチウムイオン電池のクァンタムスケープ[QS]は、商業化に向けた重要目標である先進的なコブラ・セパレーター技術のセル生産への統合に成功したと発表し、株価は31.0%上昇しました。一方で、貨物輸送のフェデックス[FDX]は、第4四半期決算の発表を受け3.3%下落しました。同社は、売上高、EPS(1株当たり純利益)ともに市場予想を上回ったものの、ガイダンスで第1四半期のEPSが市場予想を下回ったほか、世界的な需要の不確実性を理由として通期のEPS見通しを示さなかったことが嫌気されました。また、特に5月の米中間の輸送量が大幅に悪化したと述べています。
5.為替・金利等
米長期金利は、前日から横ばいの4.29%で取引を終えました。ドル円は、145円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場では、主要3指数は小幅に高安まちまちとなりました。一方で、エヌビディアが4%以上上昇して最高値を更新するなど、ハイテク株の一角には買いが入り、ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸、フィラデルフィア半導体株(SOX)指数は1.0%上昇となりました。
この流れを受け、日本市場でも半導体関連株への買いが期待され、小高く寄付くと予想されます。日経平均は節目の3万9000円台回復となるか注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)